画像の使い方

画像サイズの変更方法|縦横比を保ってリサイズする計算と手順

画像サイズを変えるときに大事なのは、幅と高さの比率(縦横比)を保つことです。片方の辺だけを決めて、もう片方は「新しい高さ=新しい幅×元の高さ÷元の幅」で計算すれば、写真が横に伸びたり縦につぶれたりしません。多くの画像編集ソフトやオンラインツールには「縦横比を固定」する設定があり、オンにすると同じ計算を自動でしてくれます。

一方で、横長の写真を正方形にしたいときのように、比率そのものを変えたい場合もあります。このときは「トリミング」「余白の追加」「引き伸ばし」の3つから方法を選びます。どれを選ぶかで仕上がりが大きく変わります。

この記事では、比率を保つ計算の具体例、比率を変える3つの方法の違い、よく使う縦横比ごとのピクセルサイズを、数値を示しながら順番に説明します。

画像サイズと縦横比の基本

デジタル画像は、ピクセル(画素)と呼ばれる小さな色の点が格子状に並んでできています。「画像サイズ」は、ふつう横と縦にピクセルがいくつ並んでいるかを指し、「4032×3024」のように「幅×高さ」で表します。

縦横比(アスペクト比)は、幅と高さの比率です。4032×3024の画像なら、両方を1008で割ると4:3になります。同じ4:3でも、800×600と4032×3024では細かさがまったく違います。比率は「形」、ピクセル数は「細かさ」と分けて考えると整理しやすくなります。

ファイル容量とは別のもの

ピクセル数を減らすとファイル容量も小さくなることが多いですが、この2つは別物です。容量はJPEGの画質設定や保存形式にも左右されます。ピクセル数はそのままで容量だけを減らしたい場合は、リサイズではなく圧縮をします。たとえば画像圧縮ツールでは、画質を調整してJPG・PNG・WEBPの容量を小さくできます。

縦横比を保ってリサイズする計算式

比率を保つには、変更後の幅と高さが元の画像と同じ割合で縮む(または伸びる)ようにします。式は次の2つです。

  • 幅を決めた場合:新しい高さ=新しい幅×元の高さ÷元の幅
  • 高さを決めた場合:新しい幅=新しい高さ×元の幅÷元の高さ

計算例1:スマートフォンの写真を幅1200pxにする

元の画像が4032×3024で、幅を1200pxにしたいとします。

  1. 元のサイズを確認します。幅4032、高さ3024です。
  2. 決まっている辺は幅で、1200pxです。
  3. 式に当てはめます。1200×3024÷4032=3,628,800÷4032=900
  4. 結果は1200×900です。1200÷900=1.333…となり、4:3のまま保たれています。

計算例2:割り切れないときは四捨五入

6000×4000(3:2)の写真を幅1000pxにする場合、1000×4000÷6000=666.66…となります。ピクセルは整数でしか指定できないので、四捨五入して1000×667にします。1pxのずれは見た目ではほぼ分かりません。

割り切れる数にしたい場合は、比率の左側の数の倍数を幅に選ぶのがコツです。3:2なら幅を3の倍数(たとえば1200)にすると、1200×2÷3=800で、ぴったり1200×800になります。16:9なら幅を16の倍数にすると高さが整数になります。

計算例3:高さを決める場合

1920×1080の画像を高さ720pxにしたいときは、720×1920÷1080=1,382,400÷1080=1280です。結果は1280×720になります。

パーセントで指定する場合

「50%に縮小」のように倍率で指定する方法もあります。幅と高さに同じ倍率を掛けるので、比率は自動的に保たれます。4032×3024を50%にすると2016×1512です。

注意したいのは、幅と高さがそれぞれ半分になると、ピクセルの総数は半分ではなく4分の1になる点です。4032×3024=12,192,768ピクセルに対し、2016×1512=3,048,192ピクセルで、ちょうど4分の1です。倍率の考え方はパーセントの計算方法も参考になります。

比率を変えたいとき:トリミング・余白追加・引き伸ばしの違い

4:3の写真を16:9のスライドに合わせたい、横長の写真を正方形にしたい、といった場合は比率そのものを変える必要があります。方法は3つです。

方法 やること 画像の中身 向いている場面
トリミング(切り抜き) はみ出す部分を切り取る 端が失われるが、形はゆがまない 枠いっぱいに見せたいとき
余白の追加 足りない部分を単色などで埋める 全体が残り、形もゆがまない 写真を一部も切りたくないとき
引き伸ばし 枠に合わせて縦横を別々の倍率で変える 全体は残るが、形がゆがむ 模様や背景など、ゆがみが目立たない素材

4032×3024を16:9にする場合の比較

同じ写真で、3つの方法の違いを数値で確かめます。

  • トリミング:幅4032を保つと、16:9の高さは4032×9÷16=2268です。3024−2268=756px分を切り取ることになり、上下を378pxずつ削れば中央が残ります。
  • 余白の追加:高さ3024を保つと、16:9の幅は3024×16÷9=5376です。5376−4032=1344px分が足りないので、左右に672pxずつ余白を足します。
  • 引き伸ばし:そのまま1920×1080にすると、横の倍率は1920÷4032≒0.476、縦の倍率は1080÷3024≒0.357です。横が縦の約1.33倍に伸びるので、人物の顔などは明らかに横に広がって見えます。

正方形にする場合も考え方は同じです。4032×3024を1:1にトリミングするなら、短い辺に合わせて3024×3024とし、左右を504pxずつ(合計1008px)切り取ります。

Webページで画像を表示するときのCSSにも、同じ考え方の設定があります。枠いっぱいに表示して端を切る「cover」、全体を収めて余白を残す「contain」などで、詳しくはMDNのobject-fitの解説で確認できます。

1:1・4:3・3:2・16:9の代表的なピクセルサイズ

よく使う縦横比ごとに、計算が割り切れる代表的なサイズをまとめました。幅÷高さの値が同じなら、同じ比率です。

縦横比 幅÷高さ 代表的なピクセルサイズ(幅×高さ) よく使われる場面
1:1 1.000 1080×1080、1200×1200、2048×2048 アイコン、正方形の投稿画像
4:3 1.333 800×600、1024×768、1600×1200、4032×3024 スマートフォンの写真(機種や設定による)、旧来のスライド
3:2 1.500 1200×800、1800×1200、3000×2000、6000×4000 一眼カメラやミラーレスカメラの写真に多い比率
16:9 1.778 1280×720、1920×1080、2560×1440、3840×2160 パソコンやテレビの画面、動画、横長のスライド

縦長で使う場合は、幅と高さを入れ替えます。16:9の縦長(9:16)なら1080×1920、4:3の縦長(3:4)なら1200×1600です。

なお、プリントの場合は比率が一致しないことがあります。写真プリントでよく使われるL判は89×127mmで、比率は約1:1.43です。3:2(1:1.5)の写真をL判に印刷すると、端がわずかに切れるか、余白が出ることがあります。

画像サイズを変更する手順

使うアプリが変わっても、基本的な流れは共通です。メニュー名はアプリやバージョンによって違うので、ここでは考え方を中心に説明します。

  1. 元画像のサイズを確認します。パソコンならファイルのプロパティや情報表示、スマートフォンなら写真の詳細情報で、幅と高さのピクセル数を確認できることが多いです。
  2. 仕上がりのサイズを決めます。「幅1200px」のように片方の辺だけ決めるのか、「1080×1080」のように比率まで決まっているのかを確認します。
  3. 比率が変わる場合は、先にトリミングか余白追加で比率を合わせます。
  4. 縦横比の固定(鎖のアイコンやチェックボックスで表示されることが多い設定)をオンにして、片方の辺を入力します。
  5. 元のファイルを上書きせず、別名で保存します。

ブラウザで手軽に済ませたい場合は、画像サイズ変更ツールでピクセル指定やパーセント指定のリサイズ、規格サイズへの切り抜きができます。

リサイズで画質を落とさないための注意点

小さい画像の拡大は避ける

縮小は情報を間引く処理なので、拡大に比べてきれいに仕上がりやすくなります。ただし、細かい模様のある写真では、縮小の方式によってモアレ(波のような縞模様)が出たり、少し甘い印象になったりすることもあります。

拡大は、存在しないピクセルを周囲の色から推測して補う処理(補間)になります。そのため輪郭がぼやけたりギザギザになったりします。大きなサイズが必要なときは、できるだけ元の大きな画像から作り直してください。

縮小を何度も繰り返さない

リサイズのたびに補間でわずかにぼやけるうえ、JPEGは保存のたびに画質が落ちます。そのため、1200pxにしたものをさらに800pxに、といった作業を繰り返すと劣化が重なります。PNGで保存しても、リサイズそのものによるぼやけは避けられません。用途ごとに、毎回元画像から縮小するのが確実です。

文字やイラストは形式も見直す

スクリーンショットや文字入りの図は、JPEGで保存すると文字の周りにノイズが出やすくなります。PNGのほうがくっきり残る場合が多いので、リサイズと合わせて形式も検討してください。

SNSやWebに載せるときのサイズの決め方

SNSの推奨サイズや表示される比率は、サービス側の仕様変更でたびたび変わります。そのため特定の数値を覚えるより、投稿前に各サービスの公式ヘルプで最新の情報を確認するのが確実です。

そのうえで、決め方の目安は次のとおりです。

  • 比率を先に決める:正方形・横長・縦長のどれで表示されるかを確認し、その比率に合わせてトリミングします。
  • 大きすぎる画像は縮小しておく:数千pxの写真をそのままアップロードすると、サービス側で自動的に縮小・圧縮され、意図しない画質になることがあります。
  • Webサイトでは表示幅を基準にする:高精細な画面では、表示幅の2倍程度のピクセル数がないと粗く見えることがあります。ただし大きくするほど容量も増えるので、圧縮と組み合わせて調整します。

比率別の早見表とリサイズ前チェックリスト

幅から高さを求める早見表

縦横比 高さの求め方 幅1200pxのとき
1:1 高さ=幅 1200×1200
4:3 高さ=幅×3÷4(=幅×0.75) 1200×900
3:2 高さ=幅×2÷3 1200×800
16:9 高さ=幅×9÷16 1200×675

16:9の行は1200×9÷16=10,800÷16=675です。元の比率がこの4つ以外なら、「新しい高さ=新しい幅×元の高さ÷元の幅」で計算し、小数は四捨五入します。

チェックリスト

  • 元画像の幅と高さ(px)を確認した
  • 比率を保つか変えるかを決めた(人物や文字は引き伸ばさない)
  • 元画像より大きくしていない
  • 縦横比の固定をオンにした
  • 元画像から1回で縮小した
  • 元ファイルを残して別名で保存した
  • 容量も減らしたい場合は、リサイズ後に圧縮した

よくある質問

画像の縦横比を簡単に求める方法はありますか?

幅と高さを、両方を割り切れる最大の数(最大公約数)で割ります。たとえば1920×1080なら両方を120で割って16:9、6000×4000なら2000で割って3:2です。割り切れない場合は、幅÷高さを小数で求めて1.333なら4:3、1.5なら3:2、1.778なら16:9と見当をつける方法もあります。

解像度(dpi)を変えると画像サイズも変わりますか?

dpiの数値を書き換えるだけでは、ピクセル数は変わりません。dpiは印刷時に1インチあたり何ピクセルを使うかを示す情報で、印刷サイズ(インチ)=ピクセル数÷dpiの関係があります。たとえば幅1500pxの画像を300dpiで印刷すると、1500÷300=5インチ(127mm)になります。

縦長と横長の写真を同じサイズにそろえるにはどうすればいいですか?

まず仕上がりの比率を1つ決め、それぞれの写真をその比率にトリミングするか余白を足してから、同じピクセル数に縮小します。どちらも切りたくない場合は、正方形の枠に余白付きで収める方法が手軽です。比率を合わせずにピクセル数だけ指定すると、どちらかの写真がゆがむので注意してください。

画像の縦横を半分にすると、ファイル容量も半分になりますか?

幅と高さを半分にするとピクセル数は4分の1になるため、容量は半分より大きく減ることが多いです。ただし実際の容量はJPEGの画質設定や画像の内容(細かい模様が多いかなど)で変わるので、正確に4分の1になるとは限りません。

スマートフォンだけで画像サイズを変更できますか?

多くのスマートフォンの標準写真アプリには切り抜き(トリミング)の機能がありますが、ピクセル数を指定した縮小ができるかどうかは機種やOSのバージョンによって異なります。ピクセル指定でリサイズしたい場合は、ブラウザで使えるオンラインツールや画像編集アプリを利用する方法があります。